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2015年1月の投稿

2015年1月16日 (金)

「シャバはつらいよ」 大野更紗

 『病は、人を孤独にします。病の苦痛とは、身体が病理に侵されてゆくことに耐えることでもあり、その苦痛が「結局、誰にも伝わらない」現実と対峙することでもあります。伝わらないとわかっているけれど、わたしは心のどこかで、あきらめきれないのかもしれません。
 崩すことはかなわないとわかりきっている岩盤に杭を打ち続ける、その気持ち。むやみやたらな、情動じみた感情。それらを言葉にすることが、人の受難や病苦を、分解して相対化する力の源泉になると、信じているのかもしれないです。だから、ものを書き続けているのだと思います。』
 本書の「おわりに」の一文、著者はこんな思いを持って書いていること、そしてその気持ちが私には痛いほどよく解ります。私も自己免疫不全の病気に次々と襲われ、入退院を繰り返し、一向に病名が特定できなかったり、誤診でステロイドを長く服用したらり、少しも症状が改善されない時期もありました。
 この本は「困っているひと」の続編として書かれ、退院後のひとり暮らしが書かれています。助けてくれる人も沢山いるけれど、心の奥底では深い孤独感にさいなまることがあったと思います。そしてなかなか症状が改善されないなか、「生きている意味があるのか」とすら考えます。それでも、福祉の研究のために大学院へ進学しました。
 私は幸い、だいぶ体調が良くなって、再発への恐怖も少なくなってきました。再発したらその時はその時と開き直りができるようになったのかもしれません。それでも時々、生きている意味を考えてしまいます。失職したことが大きかったです。一緒に生きがいを失ったしまいました。
 少しでも「目に見えない障がい」へ理解が深まり、難病を抱えながらも明るく生きていかれるような社会になることを願わずにいられません。(2014年ポプラ社)

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