「深層」 朔 立木著
「犯罪は法が裁くが、犯罪者の心理を表すことができるのは文学だけだ」という言葉を聴いたことがあります。まさしく本書にはその深層・・・心理が描かれていると言えます。
著者は、法曹界で有名な法律家ゆえに、接してきた多くの事件の真相と真実を小説で表現しているのではないかと感じました。「何故に事件がおきたのか」「被害者や加害者の本当の心はどのようであったのか」など、まるでノンフィクションを読んでいるようです。さらに、載っている四編の小説のテーマが、医療過誤、DV、援助交際、臓器移植など、現代の社会問題に迫っています。
文庫本になって長田渚左氏が解説で、松本清張やアガサ・クリスティに感想を聞いてみたいと書いています。重厚でいて人の機微や心の動きを繊細に表現してあり、とても他人事とは思えないように読み進めました。
(2002年光文社 2007年光文社文庫)
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