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2009年1月25日 (日)

「がん残日録」 筑紫哲也

Photo  『泣いても一日 笑っても一日 どちらでも良い 良くないのはどちらもない一日 せめて怒ってみるか』 

 表現を生業にしていた氏の闘病日記は、一字一句がどれも重く心に残ります。昨年11月7日73歳で亡くなられた筑紫哲也氏の「告知から死までの五百日の闘い」の日記『残日録』が、文藝春秋2009年2月号780円で公開されました。

 筑紫さんの「NEWS23」「多事争論」は大好きでした。2007年5月に肺がんの告知を受けて番組で公表したあと、6月23日自らの72歳の誕生日から日記が始まっています。奇しくもこの日は40万人が命を落とした沖縄戦終結の日であり、戦没者慰霊のためにずっとお祝いをやめていたそうです。翌2008年3月10日には、東京大空襲の特番のオンエアがあることを、親交のあった吉永小百合氏に手紙で伝えています。戦争と平和にこだわり続けたジャーナリスト人生が物語られています。

 8月1日には最後の「多事争論」http://www.taji-so.com/を収録し、8月15日には療養先の鹿児島で桜島を背景に、ご家族で写真を撮っています。終戦記念日の映像はなく原稿だけが残されています。http://www.taji-so.com/080815letter01.html

 『病いを得るということは、死までの”執行猶予”の時間を与えられること、自分の正体を見つめ直す機会を得るということである。私は何ほどのものか、何をやってきたのか、やってこなかったのか。己れを正視するのは、そんなにたやすいことではない。』と、70歳を超えて哲学者か僧のように問答を続けています。

 こんなにも貴重な日記を公開してくださったご遺族に感謝申し上げるとともに、筑紫哲也さんのご冥福をこころからお祈り申し上げます。

文藝春秋 2009年 02月号 [雑誌]

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