「さまよう刃」 寺尾聰主演

 昨年10月に原作を読み、このブログにアップした http://bullerbyn.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-3091.html 東野圭吾原作の映画「さまよう刃」を観てきました。 原作者が「この難しい内容を映画化movieしたスタッフや役者の皆さんに敬意を表します」とコメントしています。同感です。テーマ性があるうえに人の苦悩や心の機微を描いた社会派映画と言っても良いのかもしれません。

 ただ私は、この映画から少年法について、とりわけ厳罰化を求める方向へ導くことへは違和感を覚えます。そもそもフィクションであるし、法や制度と相容れない不条理こそが、文学の世界であると考えているので、それぞれが観た人の感じ方でよいと思います。Photo_6

 映画での、寺尾聰さんの演技は無論のこと、山谷初男さんが素晴らしかったです。竹之内豊さん演じる織部刑事の苦悩は原作本のように、もっと深く描いてほしかったのですが、編集でカットせざるを得なかったのかもしれません。それでも、伊東四朗さん、酒井美紀さん、主人公に関わるすべての人が、不条理と正義のはざまで苦悩する姿が画面から伝わってきた意義ある映画でした。http://yaiba.goo.ne.jp/index.html 

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「母の贈物」 向田邦子原作

 またテレビドラマを見て原作を読みたくなり手にとりました。向田邦子生誕八十年記念のTBSドラマ「母の贈物」は、9月14日にオンエアされました。http://www.tbs.co.jp/hahanookurimono/昭和の雰囲気が出ていてとっても新鮮に感じました。明日結婚heart02するという若い二人と、それぞれの母親役の竹下景子さんと万田久子さんの自然態の演技も素敵でした。movie 

 ドラマは原作よりもお話が膨らんでいました。原作を読むと映像にがっかりすることも時にはありますが、これはドラマも秀逸でした。向田邦子さんの偉大さと、今それをドラマ化したスタッフの力量に、笑いhappy02あり、涙weepありで、多いに楽しみました。(1997年文春文庫「きんぎょの夢」)

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「白旗の少女」 比嘉富子著

テレビ東京開局45周年記念ドラマhttp://www.tv-tokyo.co.jp/shirahata/を見て、原作を読みたくなりました。昭和20年沖縄に米軍が上陸したときに、若干6歳の少女がひとりで逃げ惑い地獄絵図を見た、ドラマというよりドキュメンタリーです。歴史の記録としては知っている沖縄戦ですが、亡くなった20万人以上の人の名前が記されている摩文仁の丘の碑を見た時に感じたのと同じような衝撃を受けました。

 戦争体験は辛かったからと語りたがらない方が沢山いて、富子さんも同様に思っていたのに、私が記録しなければと考え、この記録を書かれたことは、重たい体験をなぞることであり、本当に大変なことだったと感じます。少しでもその重さを私も感じ、また多くの方にこの本が読まれ続けられるようにと考えます。bookpencil (1989年講談社、2000年講談社青い鳥文庫)

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「そば七」 長野県小諸市

 信州が好きで温泉が好きな私は、必然的にお蕎麦も好きになります。知人から美味しいと教えてもらった小諸の北国街道沿いの「そば七」へ行ってきました。http://www.dia.janis.or.jp/~soba-7/ 江戸時代の本陣だったお店のたたずまいからして、落ち着いた良い雰囲気があります。チラシにはいきなり『おわび 当店は「そば通」をうならせる店ではございません。そば好きに喜んでいただける店を目指しております。ごめんなさい。』って、いったい?Photo

 いえいえ、蕎麦はしっかり角がたちコシがあって、とっても満足感がありました。

 店主ご夫妻は、昨年暮れにNHKのテレビ番組「60歳のラブレター」に出演されました。かつては工場経営をされていて、借金などとても苦労をされ、それの感謝をご主人が妻へ向けたラブレターを書いたものがオンエアされたのです。番組では、今は工場をたたみ蕎麦店を経営している紹介はなかったのですが、息子さんも加わってお店は盛況でした。これからもまた食べに行きたいと思います。noodle

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「スピリチュアルにハマる人、ハマらない人」    香山リカ著

091003  私は普通に星占いsagittariusとか血液型とか、動物占いleo(古?)とか、「当ってる!」と思ってしまう方です。それに、星占いで「今日は些細なミスに注意」なんて書いてあると、誰にでもいつでもあてはまることでも、読んでちょっと謙虚になれれば、それはそれで良いと思っています。bud

 ただ、この本を読んで、あまりにもスピリチュアルにハマってる若者が多いと知って、驚きましたwobbly。確かに「なぜ生きているのか」という問いや「自分はかけがえのない存在だ」と確信したい気持ちはわかりますが、それがテレビtv番組の「オーラの泉」や前世のカルマとかと直結してしまうことには、違和感を覚えます。この本を読んで、ますますそう感じましたが、厳格な宗教をもたない日本で、混沌とした現代を生きていくのに、頼るものが必要なのかもしれません。

 スピリチュアルブームについては、あまりよく理解できませんでしたし、この本で著者の伝えたかったことが読みきれませんでしたが、私はどうやら香山さんと同じようにハマらない人のようです。(2006年幻冬舎新書)

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「官僚たちの夏」 城山三郎著

 TBSテレビ日曜劇場http://www.tbs.co.jp/kanryou09/でオンエアされていたドラマの原作を読んでみました。ドラマとはずいぶん違っていますが、1960年代、日本の高度経済成長を支えてきた通産省の官僚たちの熱意sunが伝わってくる、まるでノンフィクションのような小説です。

 確かにこうした人々の努力---官僚だけでなく民間の人も含めた粉骨砕身の働きがあったからこそ、日本は豊かになってきたと思います。ところが折りしも民主党が「脱官僚」を謳って選挙に圧勝、これまでの官僚主導から政治主導recycleに向けていくという時です。

 本書も、はじめは熱血な官僚たちが時代を動かしていくのですが、最後には官僚が提案する産業振興法に政治家や財界の賛同を得られず廃案となる話で終わります。pen今の時代を暗示していたのでしょうか?そもそも、この小説に女性官僚は登場せず、TBSのドラマでは吹石一恵が男性と一緒に働く女性として登場しています。そうでなければ受け入れられない時代に変わっているのでしょう。いずれにしても一票を投じているひとりとして、今後の政治を見ていかなくてと思います。chair(1975年新潮社・1980年新潮文庫)Photo

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「今日よりよい明日はない」 玉村豊男著

 タイトルの言葉は、著者の玉村さんがポルトガルのホテルで若いバーテンダーから聞いた言葉だそうです。なるほど、含蓄がある言葉ですね。ポルトガル人には、こんな人生観があるようです。私もいいなぁ・・・と思いました。今日の一日を大切にする、そんな感じかな?

 どうしても不満をもったり、明日に不安があったり、落ち込んでみたり、いろいろあるけど、考えてみたら、今日もまぁまぁ良い日でした。そして大きな志も大切だけど、その日その日にできることを大切にしていく、普通の暮らしを楽しむのは、もっと大切に思います。たぶん、人生の大抵のことは、どうでも良いことで、大事なことは、とてもささやかだけれど、息をしてることみたいな、美味しい空気があるようなことなのかもしれないと、このところ考えていたので、とてもタイミングよく読めました。Photo

 「田舎暮らしができる人できない人」http://bullerbyn.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-141f.html に続き集英社新書から発刊されました。(2009年)

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「1Q84」 村上春樹著

090924_0756001_4   ベストセラーを読んでみました。mmm・・・ 文章は読みやすいのですが、内容は難解?・・・私なりの理解で構わないと思って、どんどん読み進めました。著者は、「アンダーグランド」を書いてから、作風が変わってきているのではないかと考えます。現代的な社会問題を小説化して、「何か」を伝えようとしているように思います。その「何か?」は、9月17日の毎日新聞文化面にかなり大きく載っていた書評と作者へのインタビューに、納得できました。1984年と1Q84年、あちら側の世界とこちら側の二重の世界、前掲の芝居「夏の穴」にも通じるものを感じました。来年夏に第三部の出版を目指し、現在BOOK3の執筆中とのことです。( 2009年新潮社)http://www.shinchosha.co.jp/murakami/

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